オゾン水のオゾン濃度が思うように高くならない原因はいくつか考えられます。
まずは下記5点をご確認下さい。
- 機器本体が故障していないか
- 溶存オゾン濃度計が故障していないか
- オゾン水の生成方法
- カルシウム結晶の付着を放置していないか
- 水道水の硬度が極端に低くないか
「オゾン濃度が思うように高くならない」ということなので、おそらくお手元に溶存オゾン濃度計など、オゾン濃度を測定する機器はお持ちであるという前提で説明を進めます。
オゾン水を生成する機器や溶存オゾン濃度計が故障している可能性もゼロではありません。まずはそこを疑っていただき、確認して下さい。万が一、機器の故障が確認できた場合は、各メーカーに直接問い合わせ修理対応をしてもらうなど、故障問題の解決が先になります。
とはいえ、統計的にみても機器が故障している可能性はそれほど高くありません。
そうなると、上記5点のなかで重要な確認ポイントは「オゾン水の生成方法」「カルシウム結晶の付着を放置していないか」「水道水の硬度が極端に低くないか」の3点です。
また、これらの確認事項について何ら問題がないと思われる場合は、この質問に対する解決策に先回りしていただいて結構です。(ただし、一度しっかりご確認下さい)
それでは、その3点の説明と最後に解決策を提示します。
もくじ
確認ポイントその①〜オゾン水の生成方法
オゾン水の生成方法は「バブリング式」と「低電圧電解式」の2つの方法があります。
【バブリング式】
オゾン発生器と呼ばれる機器を使用。
本体からチューブとエアレーションストーンを利用して水中にオゾンを送り込み、気体のオゾンを水に溶かし込む。
生成可能濃度:〜1.0ppm
【低電圧電解式】
オゾン水生成に特化したオゾン水生成器と呼ばれる機器を使用。
水中で直接電解させ、オゾン水を生成する。
生成可能濃度:〜5.0ppm
「直接電解式」や「電解式」などとも呼ばれます。
バブリング式は、オゾン発生器本体のオゾン発生量に関係なく、生成できるオゾン水のオゾン濃度は1.0ppmが上限値(*)とお考え下さい。
*かなりの好条件下で生成した際、稀に1.0ppm付近を測定することがあります。ほとんどの場合、0.2〜0.8ppm程度です。
つまり、今あなたがバブリング式によってオゾン水の生成を試み、1.0ppm以上にしたいと奮闘しているとすれば、それは絶対的に不可能です。
この場合、オゾン発生器ではなく、オゾンバスターやオゾンバスターPRO(プロ)など、高濃度のオゾン水が生成できる低電圧電解式のオゾン水生成器をご購入される以外に解決策はありません。
一方、低電圧電解式を採用しているオゾン水生成器を使用しているにもかかわらず、高濃度(3.0ppm以上など)にならないという場合は、このまま次項を読み進めて下さい。
確認ポイントその②〜カルシウム結晶の付着を放置していないか

電気ケトルなどで見かけるカルシウム結晶の付着
これは水道水に含まれるカルシウムが固まってできたものです。
電気ケトルや加湿器など他の電化製品同様、低電圧電解式のオゾン水生成器も長期間にわたって使用していると、機器本体内部にあるオゾンを生成する電極板にカルシウムが付着していきます。
もっとも分かりやすいケースは、「購入時と比較して、泡の量が減った」というものです。
この場合、そのほとんどがカルシウム結晶が付着したことによって起こります。
使い始め当初は、勢いよくシュワシュワと音をたてながら白い濁り(*)が発生していたのに、今では機器本体からほとんど泡も出ず、白い濁りもなく、オゾン水が生成されているとは感じられないなどの場合、内部の電極板にカルシウム結晶がたくさん付着している可能性が高いです。
低電圧電解式を採用しているオゾン水生成器は、その構造上、どうしても使用している内にカルシウム結晶が付着してしまいます。
また長期間、内部電極板に付着したカルシウム結晶を放置していると、生成効率が低下します。
(頻度にもよりますが)たとえば3ヶ月に1回、あるいは半年に1回など、定期的にカルシウム結晶を洗浄除去するメンテナンスを行って下さい。
「カルシウム結晶の付着を洗浄除去したら、購入当初のように勢いよくシュワシュワと音をたて、微細な泡もたくさん確認でき、生成時の濁りも濃くなった」というケースはよくあります。
たとえば、日本オゾン先端技術研究所に認定されているオゾン水生成器「オゾンバスター」という製品の場合、購入時にカルシウム結晶を除去するための洗浄剤が付属します。
オゾンバスターに限らず、多くのオゾン水生成器では、市販のクエン酸やお酢などを洗浄剤代わりに利用することが可能です。(酢1:水5など)
ただし、洗浄除去方法は、機器の素材などにもより、誤ったメンテナンス方法で機器が故障しては大変ですから、オゾン水生成器に付着したカルシウム結晶の洗浄除去方法は、各メーカーにお問い合わせいただくのがよろしいかと思います。
確認ポイントその③〜水道水の硬度が極端に低くないか
生成するオゾン水のオゾン濃度は、少なからず水の硬度に影響を受けます。
一般的には、硬度が高ければ高いほど、高濃度のオゾン水が生成しやすくなり、逆に、硬度が低ければ低いほどオゾン濃度は高くなりづらい傾向があります。
「硬度120ml未満の水は軟水」
日本は、もっとも硬度が高いといわれている沖縄県の平均硬度が「84.006ml」であり、もっとも硬度が低いのは愛知県の「26.476ml」である。また全国平均の硬度は約51mlなので、「軟水」であることがわかります。
参考までに各都道府県の(水道水の)硬度を表に示します。
北海道 | 32.818ml |
---|---|
青森県 | 42.684ml |
岩手県 | 40.971ml |
宮城県 | 28.660ml |
秋田県 | 30.284ml |
山形県 | 27.801ml |
福島県 | 35.090ml |
茨城県 | 66.469ml |
栃木県 | 50.658ml |
群馬県 | 57.343ml |
埼玉県 | 75.015ml |
千葉県 | 81.775ml |
東京都 | 65.304ml |
神奈川県 | 61.850ml |
新潟県 | 32.188ml |
富山県 | 30.461ml |
石川県 | 44.074ml |
福井県 | 37.895ml |
山梨県 | 53.991ml |
長野県 | 47.729ml |
岐阜県 | 37.782ml |
静岡県 | 52.582ml |
愛知県 | 26.476ml |
三重県 | 45.649ml |
滋賀県 | 45.872ml |
京都府 | 42.462ml |
大阪府 | 44.084ml |
兵庫県 | 48.240ml |
奈良県 | 48.847ml |
和歌山県 | 53.935ml |
鳥取県 | 40.940ml |
島根県 | 28.213ml |
岡山県 | 47.414ml |
広島県 | 28.819ml |
山口県 | 40.104ml |
徳島県 | 47.779ml |
香川県 | 47.423ml |
愛媛県 | 58.279ml |
高知県 | 43.883ml |
福岡県 | 60.815ml |
佐賀県 | 45.307ml |
長崎県 | 38.370ml |
熊本県 | 70.449ml |
大分県 | 52.337ml |
宮崎県 | 39.336ml |
鹿児島県 | 48.670ml |
沖縄県 | 84.006ml |
千葉県、熊本県、沖縄県などは硬度が高いため、他のエリアに比べて高濃度のオゾン水が生成しやすく、逆に、宮城県、山形県、鳥取県、島根県、愛知県、広島県あたりは他のエリアに比べ硬度が低いため、オゾン水のオゾン濃度が高くなりづらい傾向があるかもしれません。(といっても、さほど支障はありません)
解決策
ここまでご説明した確認ポイントについて次のとおり解決策を提示します。
【確認ポイントその①〜オゾン水の生成方法】
→バブリング式でオゾン水を生成している場合は、オゾンバスターシリーズなどの低電圧電解方式のオゾン水生成器を導入されて下さい。
【確認ポイントその②〜カルシウム結晶の付着を放置していないか】
→付属の洗浄除去剤を使用したり、各メーカーに洗浄方法をご確認のうえ、内部電極板に付着したカルシウム結晶を洗浄除去して下さい。
【確認ポイントその③〜水道水の硬度が極端に低くないか】
→硬度が高いミネラルウォーターなどを使用して、オゾン水を生成してみて下さい。
もし、それで問題なく高濃度を測定できる場合、問題は水の硬度だった可能性が高いため、オゾン水を生成する際は、予算の範囲内で硬度が高いミネラルウォーターを利用するなどして下さい。
【上記以外の方法(共通)】
上記3点以外に、オゾン水生成時の水に食塩を入れることによって、電気分解(*)を促し、効率的に濃度を高めることもできます。これはかなり効果的な方法です。ただし、確認ポイント①〜③を確認してからお試しいただくのが良いでしょう。
オゾン濃度が高くならない原因が確認ポイント③だった場合、特に有効な手段です。
(塩の量について)
塩の量ですが、5リットルの水道水に、0.1g程度として下さい。
塩の量が多過ぎると過電流で動作しなくなる場合があるのでご注意下さい。
ここにあるすべての方法を試しても、高濃度のオゾン水が生成できないというケースはほとんどないかと思いますが、どうしても上手くいかない場合はお気軽にお問い合わせ下さい。可能な限り、問題解決にご協力いたします。