オゾン発生器とは

オゾン発生器とは

オゾン発生器とは、簡単にいってしまえば「オゾンを放出する機器」です。
オゾン発生器は「脱臭機」や「消臭器」などと呼ばれることもあります。

では、オゾンは何かといえば、「消臭・除菌効果が高い気体(酸化力が強い)」で、分子式は「O3」で表されます。
※より詳しくオゾンの効果を知りたい人は「オゾンとは」をご覧下さい。

ここでは、より詳しくオゾン発生器を知りたい方のために、機器としてのオゾン発生器に関する情報をまとめたいと思います。

この記事を読んで分かること
特定製品の情報ではなく、機器としての「オゾン発生器」がどんなもので、どのような原理・仕組みなのか、空気清浄機との違いは何なのか、またオゾン発生器はどのようなシーンで利用されているのか等。

空気清浄機とオゾン発生器の違い

機器 菌(*)やウイルス チリやホコリ、PM2.5など
空気清浄機 無効 有効
オゾン発生器 有効 無効

(*)悪臭の原因は「菌の増殖」です。そのため、除菌または殺菌されることが消臭につながります。

<空気清浄機>
空気清浄機はチリやホコリ、PM2.5などを(室内空間から)除去する機器です。
その仕組みは、汚れを集めて溜めるという方法として最も一般的な「ファン方式」か、高圧放電によってチリやホコリ、PM2.5などを帯電させて集じん極に吸着する、という「電気集じん方式(簡単に言うと静電気を起こしてホコリを吸着する方式)」があります。

要は吸い込んだり、静電気の力を利用して対象物(チリやホコリ等)を集めて空気清浄機内部のフィルターなどに吸着するだけで対象物が消えてなくなるわけではありません。

分かりやすくいうと、室内空間に浮遊している対象物が空気清浄機内のフィルターに移動するため、室内空間からは除去できるということです。あくまでもチリやホコリ、PM2.5などを物理的に室内空間から除去するのであって、対象物を完全に消滅させるわけではありません。
また、フィルターの許容範囲には限界があることに加え、「悪臭」の原因はチリやホコリではないため悪臭問題は解決しません。

<オゾン発生器>
オゾン発生器と呼ばれる機器は、殺菌力の強いオゾンを発生・放出させ、悪臭の原因である菌やウイルスを直接分解し、消滅させます。
つまり、悪臭の根本原因をなくすということです。ただし、空気清浄機のように物理的にチリやホコリなどを吸い込んだりフィルターに吸着させて除去することはできません。
※オゾン脱臭法を採用した脱臭機は「オゾン脱臭機」とも呼ばれますが、これは「オゾン発生器」と同じ機器を指します。

このように空気清浄機とオゾン発生器とでは、それぞれ役割が明確に異なることを覚えておきましょう。

何故、空気清浄機でニオイ問題は解決しないのか

これは「悪臭の原因」が何であるのかを考えればよく理解できます。
ニオイの原因は菌の増殖です。

消臭するためには、それらの菌(雑菌)を除菌する必要があり、除菌しなければそのニオイはいつになっても消えません。
ここで勘のいい人は「ん?ということは…」と思ったかもしれません。

そうです、つまり、消臭することは除菌することであり、除菌することは消臭することなのです。

菌やウイルスを除菌してくれるのは空気清浄機ではなく、オゾン発生器をはじめとする脱臭機の方です。
もうお分かりかと思いますが、空気清浄機でニオイ問題が解決されないのは、ズバリ「除菌しないから」です。

オゾン発生器の原理と仕組み

オゾン発生器の原理と仕組み

オゾン発生器の原理と仕組み

オゾン発生器でオゾンを生成する際の原料は「酸素」であり、オゾン発生器と呼ばれる機器の内部には、放電現象を起こすための「放電管(または放電板)」という部品が使われています。

酸素を原料とし、電気の力を利用してオゾン発生器内部の放電管で放電現象を意図的に起こすとオゾンが生成され、機器のオゾン放出口からオゾンが放出される仕組みです。

ちなみに、この「放電管」ですが、オゾンを生成すればするほど摩耗・劣化していき、オゾン発生器の製品寿命は主にこの放電管の摩耗・劣化具合を目安に設定しているメーカーが多いです。
品質が高い放電管が使われていればいるほど摩耗や劣化速度が遅く、製品寿命は長くなります。
これまで「オゾン発生器の放電管は1本が当たり前」とされていましたが、近年では放電管を1本ではなく2本搭載することで放電管1本あたりの負担を軽減し、フリーメンテナンスでも長期間オゾン生成効率を低下させず使用できるオゾンクラスター1400などが知られています。

何故、オゾン発生器が使われているの?

何故、オゾン発生器が使われているの?
何故、オゾン発生器が利用されているのかという疑問は、「何故、オゾン発生器が選ばれているのか」を考えることでその答えが見えてきます。

消臭や除菌を考えた場合、なにもオゾン発生器だけが解決策ではありません。たとえば、除菌力が比較的高い次亜塩素酸を利用した次亜塩素酸装置やアルコールを利用したアルコール噴霧器という機器もあります。あるいは塩素などでも除菌は可能ですし、市場規模700億円ともいわれている消臭除菌グッズでも有効なものがないわけではありません。

しかも、業務用オゾン発生器は安い買い物ではありませんし、オゾンの特性をあまりご存知でない方は「オゾンって、危険なのでは…」と思っている方もいたりして、機器の導入を考えたときはいろいろ調べたりしてからでないとちょっと不安を感じる方もいるかもしれません。簡単にいってしまえば「安くないし、オゾンの特性を知らずには(安心して)使えない」それがオゾン発生器だと思います。

そんな中、ホテルや旅館等の宿泊施設業・自動車関連業・清掃業・ペット関連業・飲食店業等、衛生問題が死活問題にもなりかねない数多くの業種で今やオゾン発生器は必須アイテムになっています。(業務の効率化が重要視されている宿泊施設業や自動車関連業では所有していないことの方が珍しいかもしれません)

衛生問題が死活問題にもなりかねない数多くの業種では、何故オゾン発生器が選ばれているのでしょうか。

数ある選択肢の中から、オゾン発生器が選ばれているのは、主に5つの理由をがあります。以下、詳しく説明します。

消臭除菌効果が高い

悪臭の原因は菌(の増殖)です。
そのため、菌を除菌することが消臭につながります。
では、オゾンにはどれほどの除菌力があるのかというと、オゾンはフッ素に次いで高い除菌力を持ち、プールの消毒などで利用される塩素と比較すると約6倍の除菌力があります。

安全性が高い

フッ素や塩素などは、除菌力の高さと引き換えに「残留性」の問題を抱えます。
しかし、オゾンは高い除菌力でありながらも、残留性がないため、安全性が高いきわめて珍しいケースなのです。
ほとんどの除菌剤(殺菌剤や消毒剤等含む)に残留性があるのに対し、オゾンは菌やウイルスにアタックして分解作用を起こしたあとは、菌やウイルスとともに消滅してその場に残るのは酸素(O2)のみで、言うまでもなく、酸素は人や動物にとって無害です。
そのため、高い安全性が要求される食品加工業などにおいてはかなりの範囲でオゾンが利用されており、オゾンは厚生労働省が定める食品添加物(既存添加物)にも認められています。

コストが低い

オゾン発生器とよく比較される機器に次亜塩素酸装置やアルコール噴霧器がありますが、オゾンと同程度の効果を得ようとすれば、初期投資(本体購入など)としては軽く50万以上はします。加えて、次亜塩素酸装置やアルコール噴霧器は継続費用(ランニングコスト)が掛かります。
一方、オゾン発生器導入に掛かる初期投資は次亜塩素酸装置やアルコール噴霧器と比較しても半額もしくは半額以下ですし、酸素を原料とするため、ランニングコストは0円です。(電気代は掛かります)
よって、トータルコストは圧倒的にオゾン発生器に軍配が上がります。

機器の操作や作業が誰でも簡単にできる

オゾン発生器が選ばれている理由は、効果の高さやコストパフォーマンスだけではありません。
ひと昔前までは操作マニュアルを見ながらでなければ、操作方法や設定方法に戸惑うような機種も多くありましたが、令和元年現在、販売されている(大手メーカーの)機種はどれも扱いやすく、操作方法についても説明書が不要なほど分かりやすく実用的な機種ばかりです。
自動車業や清掃業の現場ではまだまだ男性スタッフが多いと思いますが、宿泊施設における客室清掃作業の現場においては女性スタッフの方が多いです。

加えて、特に客室清掃ではチェックアウトからチェックインまでの短時間で目に見える部分の清掃だけではなく、目に見えないニオイの問題を解決しなくてはなりません。あまり効果がないことや無駄なことをしたり、操作方法が分かりづらい機器を使用したりすることは現実的に難しいです。また、チェックアウトからチェックインまでの短時間で、次から次へと客室の清掃作業を済まさなくてはなりません。そのため、機器を部屋から部屋へと移動させる負担(重量など)が大きいことも作業の負担になります。
そのような女性スタッフが多い現場でも「使いやすい」「操作に迷うことがない」「本体が軽量なので持ち運びに負担がない」など、オゾン発生器という機器の品質と利便性はどんどん向上しています。

家具や電化製品・観葉植物に悪影響は一切なし

一般的な業務用オゾン発生器を利用してつくられる室内のオゾン濃度環境において、オゾンが家具や電化製品・観葉植物などに悪影響を与えることは一切ありません。
しかし、次亜塩素酸装置やアルコール噴霧器の場合はそうはいきません。オゾン発生器と同程度の効果を得ようとすれば、次亜塩素酸装置もアルコール噴霧器も使用する前にそれなりに配慮(一時的に電化製品や観葉植物を移動させたり、家具に直接噴霧しないなど)が必要になります。

消臭除菌効果と安全性が高く、トータルコストが低い。加えて、機器の操作は簡単で、利便性も高く、家具や電化製品・観葉植物に悪影響は一切ない。

それが、オゾン発生器が選ばれている理由です。

悪臭はサービスの価値を下げている

想像してみて下さい。

「臭いホテル」「臭い中古車」「見た目はキレイだが悪臭がする部屋」「獣臭がひどいペットショップ」「悪臭がする不衛生な動物病院」「変なニオイ(料理臭と別のニオイが混ざった複合臭)がする居酒屋」…etc

悪臭はサービスの価値を間違いなく下げます。

逆に考えると、悪臭がしなければ0に戻るどころか、そのことが付加価値となり、質が高いサービスの提供ということで「それまでなかった売上」や「ユーザーに選ばれる理由」をつくるきっかけになります。

(例1)「あのホテルの部屋は清潔だし、嫌なニオイもしなかった。快適だったからまた泊まりたい」という口コミが投稿され、その口コミにより集客力が向上する。
(例2)車内が臭いことで相場より安く販売していた中古車が無臭になったことで、価格を下げずに相場程度で売れた。

ほとんどの消臭除菌グッズは悪臭よりも強い香気で悪臭を包み込み、ごまかすだけです。(マスキングという手法)
しかも、消臭除菌グッズによる一時的なマスキングは後にそれが複合臭を作り出すというまた別の問題が発生し、何ら根本解決にならないばかりではなく、3ヶ月・半年・1年と時間経過とともに複合臭が増大していくことから、使う量だけが増えていき、ニオイの負のループはどんどん大きくなります。

根本解決にはならない一時的な対処法で済ませる負のループはここで断ち切り、悪臭や不衛生な環境と今ここでしっかりと向き合い、オゾン発生器で根本的な解決をし、お客様に一段上のサービスを提供しませんか?

サービスの質を上げ、価値を高めることは決して簡単なことではないことは百も承知しています。
しかし、悪臭問題が原因で現在提供しているサービスの価値が低下しているとすれば、オゾン発生器を導入するだけで簡単にサービスの質を上げ、価値を高めることができることもまた事実です。

オゾン発生器がよく使われている業種や利用シーン

オゾン発生器がもっとも多く使われている業種は「宿泊施設業(ホテル・旅館・民泊等)」次いで「自動車関連業」以下、「清掃業」「ペット関連業」「飲食店業」「介護福祉関連業」「食品加工業(主に工場)」です。その他、医療施設や保育園・幼稚園などでも利用されています。
また、大規模災害時のウイルス・感染症対策で緊急車両にもオゾン発生器が導入されていることはあまり知られていないようです。

オゾン発生器の安全性や危険性について

オゾン自体の安全性や危険性については「オゾンの安全性と危険性」をご覧いただくとして、ここでは機器としてのオゾン発生器の安全性や危険性について説明します。

現在、販売されているオゾン発生器の中には残念ながら、安全なものとそうでないもの(危険、あるいは安全性を確認できない製品)があります。

ざっくり言ってしまうと、日本国内の大手メーカーが製造・販売しているものは基本的に安全性が高く、海外メーカーが製造・販売した製品であり得ないような価格(1万円以下など)で販売されているトンデモ業務用オゾン発生器の中には危険な製品があります。

家庭用オゾン発生器ならまだしも、業務用のオゾン発生器はオゾン発生量も多量で、出力も小さくありません。加えて、ほぼすべての業務用オゾン発生器は無人環境で利用することから機器が故障し、火災の原因になる可能性もゼロではありません。(故障が火災につながる可能性があるのはすべての電化製品に共通していえることです)

また2021年現在、日本国内で販売される海外メーカーのトンデモ業務用オゾン発生器は驚くほど故障率が高いことも分かっています。
※安全性について、販売業者や現地工場に問い合わせをしてもナシのつぶてで返答なし。

スペックについても到底信頼できるものではなく、「そもそも公表値がデタラメ」「公表値は確かだがあり得ないレベルで無茶な設計をしているため1.2回の使用で故障した」という例は枚挙にいとまがありません。

念のため書いておきますが、「大手メーカーであれば100%安全で、聞いたことがないような海外メーカーのものはすべて危険である」という意味では決してありません。
ただ、日本国内の大手メーカーであれば品質や安全性に関する検査などが厳しく行われているため、消費者にとって危険な製品が販売される可能性は限りなくゼロに近いといえます。
※海外メーカーのトンデモ製品を楽天やAmazonで販売するショップは都合の悪い問い合わせを無視したり、最悪はアカウントを削除するなどして責任逃れが可能ですが、日本国内のオゾン発生器メーカー(ショップではない)はそうはいきません。

参考 オゾンをフェアに評価すると「危険」だが「超安全」となるオゾナビ

信頼できるオゾン発生器の4メーカーとその特徴

信頼できるオゾン発生器の4メーカーとその特徴
たとえば、空気清浄機であれば、Panasonic・SHARP・富士通ゼネラル・ダイキン・日立・三菱電機などが「大手メーカー」といえますが、オゾン発生器メーカーではどうでしょうか。一般家庭にも広く普及しているメジャーな電化製品である空気清浄機とは違い、「はて?オゾン発生器メーカーの大手とはどこだろう…」と思う人が多いと思います。
ここでは、令和元年現在、日本国内にあるオゾン発生器メーカーの中でも大手メーカーとされる企業をご紹介したいと思います。

オゾン発生器メーカーで大手と呼ばれているのは「オーニット」「タムラテコ」「オゾンマート」「エコデザイン」の4メーカーです。

※日本国内以外の海外メーカーではイスラエルの「Ecozone Technologies」が有名であり、同社が保有する世界特許技術を駆使したオゾン発生器は信頼度も非常に高く、世界的にみても「大手」と呼ぶに相応しいメーカーですが、ここでは日本国内の大手メーカーを中心に紹介するため同メーカーの説明は割愛します。

それぞれのメーカーで特徴があり、オーニットはなんといっても「信頼のオーニット」と業界内で知られています。有名な「最強のオゾン脱臭器」というキャッチコピーを生んだメーカーになります。有名なシリーズでは「剛腕シリーズ」があります。

タムラテコは、医療系に強く、オゾン発生器というよりオゾン水を生成するオゾン水生成器に強みをもちます。オゾン水に関連した製品をお探しの方は、一度気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

オゾンマートは、2008年頃から業界に参入し、その圧倒的なコスパの高さ(品質が高く、価格が安い)から一気に頭角を現し令和元年現在も多くのユーザーから支持を得ているオゾン発生器メーカーです。このメーカーのオゾン水も生成できるオゾン発生器「オースリークリアシリーズ」は累計出荷台数1万台を超すベストセラー製品となっています。シリーズの累計販売台数が1万台と突破しているのは、業界内でオゾンマートのオースリークリアシリーズとオーニットの剛腕シリーズしかありません。

エコデザインは、「循環型産業構造の構築に向けた技術的貢献」をモットーとし、2000年に設立された会社です。他のメーカーとは少し異なり、エコデザインはその技術力の高さでユーザーからの細かい要望にも難なく対応。カスタマイズ・受注生産がメインのオゾン発生器メーカーです。その技術力の高さや知見は業界内でも一目置かれる存在といえるでしょう。

オゾン発生器メーカーの大手は上記の4メーカーであり、現在日本国内で販売されているオゾン発生器の多くがこれらのメーカーによって製造されたものです。販売業者は上記メーカーから仕入れたり、代理店契約を締結するなどしてこれらの製品を自社ショップ、楽天、Amazon、ヤフーショッピング等で販売しています。

業務用オゾン発生器の導入を検討している方は、ここで紹介した日本国内にある大手4メーカーから選べばまず間違いありません。