2020年に入ってから日本でも猛威を振るい始めた新型コロナウイルス。
コロナウイルスとひとくちに言っても、いくつか種類があり、ヒトに疾患を引き起こすことが知られているのは7種類あります。
7種類のうち4種類は感冒の症状を引き起こすことが非常に多いとされています。
- コロナウイルス229E
- OC43
- NL63
- HKU1
7種類のコロナウイルスのうち3種類は、他のコロナウイルスよりもはるかに重度で、ときに死に至る呼吸器感染症を引き起こし、21世紀になってから致死的な肺炎の大規模なアウトブレイクを引き起こしています。
- SARS-CoV-2(新型コロナウイルス感染症の原因)
- MERS-CoV(中東呼吸器症候群/MERSの原因)
- SARS-CoV(重症急性呼吸器症候群/SARSの原因)
重度の呼吸器感染症を引き起こすこれらのコロナウイルスは人獣共通感染の病原体であり、感染動物から始まり、動物からヒトに伝播します。また、現在日本を含む世界中を騒がせているSARS-CoV-2はヒト-ヒト感染において大きな感染力をもつことはご存知のとおりです。
ここでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因とされるSARS-CoV-2に対するオゾンの強いエビデンスを紹介します。
逆に、もしあなたがここで紹介されている以外で、新型コロナウイルスに対するオゾンのエビデンスを見かけた場合は少なくても「強いエビデンス」ではないため、その内容やソースをしっかりと確認されることをおすすめします。
もくじ
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に関するオゾンのエビデンスは全部で4つある
エビデンスはあるかないかで語られるものではなく、「強いか弱いか」で語られるものです。
よって、ここでは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に関するオゾンのエビデンスの中でも「強いエビデンス」のみをご紹介します。
高濃度オゾンガスに関するエビデンス/奈良県立医科大学

出典:奈良県立医科大学
発表日時 | 2020.05.14 |
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発表元 | 奈良県立医科大学 |
資料タイトル | (世界初)オゾンによる新型コロナウイルス不活化を確認 (世界初)オゾンによる新型コロナウイルス不活化の条件を明らかにした。 |
内容(研究成果) | CT値330(オゾン濃度6ppmで55分曝露) 1/1,000~1/10,000まで不活化。 CT値60(オゾン濃度1ppmで60分曝露) 1/10~1/100まで不活化。 |
URL | https://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r2nendo/ozon.html(奈良県立医科大学) |
高濃度オゾン水に関するエビデンス/宮崎大学

出典:宮崎大学医学部
発表日時 | 2020.08.18 |
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発表元 | 宮崎大学医学部 |
資料タイトル | オゾン水による新型コロナウイルスの不活化効果を確認 |
内容(研究成果) | ウイルス液+培養液もしくはウイルス液+滅菌水道水を接種したVero細胞では多数のプラーク(大小不同の白い点:ウイルス増殖の所見)を認めるが、ウイルス液+10mg/Lオゾン水を接種したVero細胞では、プラークを認めなかった。これは、オゾン水により新型コロナウイルスが不活化されたことを示している。 |
URL | http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/mei/2020/08/18/オゾン水による新型コロナウイルスの不活化効果/(宮崎大学医学部) |
低濃度オゾンガスに関するエビデンス/藤田医科大学

出典:藤田医科大学
発表日時 | 2020.08.26 |
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発表元 | 藤田医科大学 |
資料タイトル | 本学の村田貴之教授が人体に安全な低濃度オゾンガスで新型コロナウイルスを不活性化できる事実を世界で初めて発見しました |
内容(研究成果) | ![]() オゾンガスは多くの病原体を不活化する効果があることが知られており、新型コロナウイルスにも効果があることがすでに報告されています。しかし、既報の実験は、1.0〜6.0ppmという高濃度のオゾンガスを使用しており、人体への毒性が懸念されていました。今回、本学の村田教授研究グループは、人体に許容される低濃度(0.05と0.1ppmで実験)でもオゾンガスが新型コロナウイルスに対して除染効果があるということを明らかにしました。感染拡大の抑制・予防に向けての基礎的なエビデンスになると考えます。 |
URL | https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000007394.html(藤田医科大学) |
低濃度オゾン水に関するエビデンス/藤田医科大学

出典:藤田医科大学
発表日時 | 2020.09.23 |
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発表元 | 藤田医科大学 |
資料タイトル | 世界初 低濃度オゾン水による 新型コロナウイルス不活化を確認 |
内容(研究成果) |
藤田医科大学(愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98)の村田貴之教授(ウイルス・寄生虫学)は、手指消毒等に安全に使用できる低濃度のオゾン水による新型コロナウイルスの不活化を確認しました。 オゾン濃度1.0 mg/Lのオゾン水を10秒処理することで、感染性ウイルスは0.70%に、2.0 mg/Lのオゾン水では0.1%未満にまで抑制されました。オゾン濃度0.4 mg/Lでもウイルス力価は5.8%まで減少しました。 |
URL | https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000007fdg.html(藤田医科大学) |