ワクチンは新型コロナ対策の切り札になるのか「この不安感は何なのか」

ワクチンは新型コロナ対策の切り札になるのか「この不安感は何なのか」

世界中で多数の死者を出し、経済を急減速させている新型コロナウイルスですが、人類が絶望の淵に落ちているわけではありません。
それはワクチンが存在するからでしょう。厚生労働省は、「新型コロナワクチンは感染症の発症を予防する高い効果があり、重症化を予防する効果も期待できる」と太鼓判を押します(*0-1)。

コロナ禍は、ウイルスという極小の生物のようなものが大量に発生して起きる悲劇ですが、ワクチンでウイルスの猛威を鎮められることは証明されています。
しかし、「新型コロナワクチンを接種しても感染することがある」というニュースも飛び交っていて、不安な部分もあります。

この記事では、ワクチンとはどのような薬なのか解説します。

新型コロナワクチンの仕組みはとても難しいので、先に「簡単な説明」から始めて徐々に「難しい説明」に移っていくようにします。
デルタ株などの変異株に対するワクチンについても紹介します。

ワクチンのことを知ると、特別な理由がある人以外は全員ワクチンを打ったほうがよい、とする政府の見解を理解できると思います(*0-2)。

*0-1:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0011.html
*0-2:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0067.html

ワクチンとは【まずは簡単な説明から】

ワクチンは医薬品と同じように扱われていますが、普通の薬とは性質がかなり異なります。
そもそもワクチンとは何なのか、平易な言葉だけを使って解説していきます。

ワクチンと抗がん剤の違い

抗がん剤とワクチンとの違いをみていきます。
がんは、健康な細胞が変化して異常細胞になる病気です。抗がん剤は、異常細胞を殺します。つまり抗がん剤は、異常細胞にとっての毒になります(*1-1)。

ワクチンは、免疫力を強化します(*1-2)。免疫力は、誰もが持っている力で、この力で体内に入ってきたウイルスを叩きます。
弱いウイルスであれば、そのままの免疫力で撃退できるのですが、新型コロナのような強いウイルスではそれだけでは足りません。
それでワクチンを体内に注入して免疫力を高めるわけです。

それぞれを一言でまとめるとこのようになります。

  • 抗がん剤は毒
  • ワクチンは免疫増強剤

*1-1:https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/gairaichemo/manual-pdf/01_02.pdf
*1-2:https://www.wakuchin.net/about/role.html

抗体とは

抗体とは
説明のレベルを少し上げます。
免疫力とは何なのかというと、抗体の働きです。抗体が働いてウイルスを退治することを免疫といいます。
作業員が廃墟ビルを撤去することを解体と呼ぶように、抗体がウイルスを退治することを免疫と呼びます。

作業員が 廃墟ビルを撤去することを 解体と呼ぶ
抗体が ウイルスを退治することを 免疫と呼ぶ

したがって「ワクチンは免疫増強剤である」とは「ワクチンは抗体をつくる液剤である」と言い換えることができます。

抗体は味方、ウイルスは敵とみなすことができますが、この関係は少し複雑です。
京都大学と広島大学のウイルスの研究者が、この関係を簡潔に説明しているので紹介します(*1-3)。

●新型コロナウイルス変異株に結合してウイルスを無力化する完全ヒト抗体を人工的に作り出す技術を開発した

この説明文から、抗体が、1)ウイルスにくっついて、2)ウイルスを無力化する働きをしていることがわかります。
この2つの性質は、ワクチン開発が難航する原因にもなっています。

*1-3:https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/164430/210514_pr01.pdf

敵の種類の数と同じ数の武器が必要だから開発が難航する

ゴジラを倒す武器ではゴキブリを退治することはできませんし、ゴキブリを退治する薬剤でゴジラを倒すことはできません。
このように武器は、敵の性質に合わせてつくり変える必要があります。

抗体は、ウイルスにくっつかないと効果を発揮しないのに、ウイルスは多くの種類があり、それぞれ性質が異なります。そのため、新型のウイルスが発生したら、新型の抗体をつくらないとなりません。旧型の抗体では役に立ちません。

風邪も新型コロナと同じようにウイルスによって発症する病気ですが、風邪にはワクチンがありません。
風邪は、発症しても深刻な事態に陥ることがまれなので、膨大な予算を使って風邪ウイルス・ワクチンを開発するメリットがない、というのも1つの理由ですが、別の理由もあります。
風邪を引き起こすウイルスは200種類もあり、同じ種類でも違う型が複数あるので、そのすべてにワクチンを用意することが現実的ではないからです(*1-4)。
したがって、風邪ウイルスに感染しないようにすることと、風邪を引いたら症状を和らげる治療をすることが、合理的な対策になります。

新型コロナは、これまでのウイルスとはかなり異なる性質を持つので、それ用の抗体をつくるワクチンの開発が難航してしまいます。
すでに、ファイザー製やモデルナ製などの新型コロナワクチンの接種が行われていますが、それでも完全に新型コロナを防ぐことはできていません。ブレークスルー感染という、新型コロナワクチンを2回接種した人が感染する事例が報告されているくらいです(*1-5)。

現段階(2021年秋)のワクチンは、新型コロナを「かなり叩くことができる」武器ですが、「完膚なきまでに叩きのめすことができる」ほどの武器ではなく、それで今でもワクチン開発が続けられているわけです(*1-6)。

*1-4:https://virus-eisai.com/virus/cold/
*1-5:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0006.html
*1-6:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html

ワクチンの原料は何なのか

ワクチンは、体内に抗体をつくって免疫力を高める液剤です。抗体をつくるのは体の機能であり、ワクチンの中身は抗体ではありません。
では、ワクチンの原料は何なのか(*1-7)。

●ワクチンの原料はウイルス
ワクチンはウイルスを原料にしています。ウイルスを接種するということは、ウイルスに感染させることと同じです。
なぜワクチンの原料にウイルスを使うのか。それは、抗体はウイルスに感染することでできるからです。体内の免疫機能は、侵入してきたウイルスに合わせて抗体をつくるので、ウイルスを一度、体内に入れておく必要があるのです。

ではなぜ、ウイルスを原料にしたワクチンとして接種しているのにウイルス感染症が起きないのか。実は、まれにではありますが、ワクチンを接種すると、ウイルス感染症に似た症状が起きてしまいます。これを副反応といいます。
しかしほとんどの人は、ワクチンを打ってもウイルス感染症は引き起こしません。それは、ウイルスを「相当加工して」ワクチンにしているからです。

ワクチンには、生ワクチン、不活化ワクチン、mRNAワクチンなどがあります。それぞれ加工法が異なりますが、ウイルスを相当加工して、接種者にウイルス感染症を起こさないようにしている点は共通しています。
3つの加工法は次のとおりです。

●生ワクチン
ウイルスの毒性を弱めてワクチンにする

●不活化ワクチン
ウイルスの毒性をなくしてからワクチンにする

●mRNAワクチン
ウイルスのタンパク質の遺伝情報をワクチンにする

以上で、ワクチンの「簡単な説明」は終わりになります。
以下、新型コロナワクチンの説明になりますが、難しくなってしまいます。それは、現在使われている新型コロナワクチンがmRNAワクチンだからです。

*1-7:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0018.html

新型コロナワクチンとは【難しい話をわかりやすく説明】

新型コロナワクチンの解説は、全体としては難しい話に聞こえるかもしれませんが、1つひとつの理屈はとても単純です。

mRNAワクチンは今回初めて実用化された

日本で現在打たれているファイザー製薬とモデルナ製の新型コロナワクチンは、どちらもmRNAワクチンです(*2-1)。
mRNAワクチンは、今回、史上初めて実用化されました(*2-2)。そして、mRNAワクチンの原理がみつかったのは、わずか30年前の1990年のことです(*2-3)。
ストーリーとしては、「mRNAワクチンは、本来は歴史が浅すぎてすぐに実用化できるものではなかったが、コロナ禍という未曽有の大惨事を受けて、急遽投入が決まった」といったところです。

国立感染症研究所は、新型コロナ向けmRNAワクチンは、未曽有のスピードで開発され、実用化されたため、副反応や安全性については未解明の部分が多く残されている状態であると指摘しています(*2-4)。
さらに次のようにもいっています。
「ある程度の副反応はあるものの十分に有効であり、流行拡大が続く現状においては、 重症化リスクや感染リスクの高い者への接種による利益は、副反応という不利益を大きく上回ると考えられる」
これが新型コロナウイルスの正味の実力です。

*2-1:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html
*2-2:https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021201140&g=soc
*2-3:https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2536-related-articles/related-articles-492/10182-492r06.html
*2-4:https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2536-related-articles/related-articles-492/10182-492r06.html

mRNAワクチンはどうつくり、どう効果を発揮するのか

国立感染症研究所は、新型コロナ向けmRNAワクチンを次のように定義しています(*2-4)。

脂質ナノ粒子などのキャリア分子に抗原タンパク質をコードするmRNAを封入した注射剤。注射されたmRNAが局所の宿主細胞内に取り込まれ、翻訳されることにより、抗原タンパク質が産生され、抗原特異的免疫応答が起こる

NIID-国立感染症研究所

専門用語が使われていますが、mRNAの概念さえ押さえておけば、理屈は難しくありません。
人もウイルスもDNAを持っていて、DNAによって生命維持に必要なタンパク質をつくります。DNAはタンパク質づくりの設計図になります。
DNAの情報はmRNAにコピーされて、mRNAを元にしてタンパク質がつくられます。
この「DNA→mRNA→タンパク質づくり」の過程は「生命のセントラルドグマ」と呼ばれています。セントラルドグマは、アニメ、エヴァンゲリオンに登場するので聞いたことがあるかもしれませんが、生命現象の根本という意味です(*2-5、2-6)。

ワクチンづくりでは、新型コロナウイルスの遺伝情報を解析してmRNAを人工的につくります。それを注射剤にしたのがワクチンです。
ワクチンを接種すると、人の細胞に新型コロナのmRNAが取り込まれ、その細胞のなかでmRNAに書いてある情報が読み込まれて抗原タンパク質ができます。

抗原タンパク質が抗体になります。
抗体は、1)ウイルスにくっついて、2)ウイルスを無力化する働きがあります。
新型コロナのmRNAでつくられた抗原タンパク質は、新型コロナにくっついてこれを無力化します。

*2-5:http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_14/
*2-6:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%94%A8%E8%AA%9E%E4%B8%80%E8%A6%A7

新型コロナmRNAワクチンの実力

厚生労働省は新型コロナmRNAワクチンの実力について、次のように説明しています(*2-7)。

  • ファイザー製ワクチンの感染症の発症予防効果は約95%
  • モデルナ製ワクチンの感染症の発症予防効果は約94%
  • 2つのワクチンの重症化予防効果は「期待できる」レベル
  • 2つのワクチンの感染予防効果は確認されていないが、接種者のほうが感染者の発生が少ないとする報告もある

厚生労働省は、ワクチンの実力を、1)感染症の発症予防効果、2)感染症の重症化予防効果、3)ウイルスの感染予防効果の3つで測っています。
この3つに注意しながら、上記の4項目を翻訳するとこのようになるでしょう。

●現行のワクチンは感染症の発症をかなり予防して、重症化リスクも減らせそうだが、感染予防はあまり期待できそうにない

これは、ワクチンが弱いと考えるより、ウイルスが手強いと認識したほうがよいかもしれません。
その認識ができると、別の策を考えることができます。風邪対策やインフルエンザ対策のように、症状を和らげる治療を考えていく戦略です。

塩野義製薬は2021年9月、新型コロナウイルス感染症の治療薬を2022年3月までに実用化すると発表しました(*2-8)。飲み薬タイプで、軽症感染者や無症状感染者に投与して重症化を防ぎます。
治療薬が本当に大きな効果を生むのであれば、「新型コロナに感染しても恐くない」状態になるかもしれません。期待が膨らみます。

*2-7:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0011.html
*2-8:https://www.asahi.com/articles/ASP9Y5FXTP9YULFA019.html

なぜ新型コロナは手強いのか

なぜ、ワクチンを接種しても新型コロナに感染してしまうのでしょうか。なぜこれほどまでに、新型コロナは手強いのでしょうか。

鼻や喉で増えてしまうからやっかい

どのウイルスも大抵は、最初は、最も侵入しやすい人の鼻や喉の粘膜から体内に入ります。
新型コロナは、最初に到着した鼻のなかや喉の粘膜ですぐに増殖してしまうので、ワクチンが効きにくくなります(*3-1)。

ワクチン接種によって生まれる抗体は主に血液のなかにあります。血液内に新型コロナが入ってくればそれを叩くことができますが、鼻や喉にできた「ウイルス生産工場」は無傷のままウイルスをつくり続けるので感染症が発症してしまいます。

一方で、麻疹(はしか)や水ぼうそうは、一度発症するともう発症しないで済みます。これは、麻疹や水ぼうそうのウイルスが、鼻や喉から侵入したあと、リンパ節に移動してから増殖するためです。感染(鼻や喉への侵入)から増殖まで時間があるので、その間に体内で抗体が十分増え、病気を押さえこむことができるので、抗体が活躍しやすいのです。

*3-1:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/column/0006.html

抗体が減ってしまう!

せっかくワクチンで抗体をつくっても、その抗体が減ってしまってはワクチン効果が発揮されません。
藤田医科大学が、ワクチンを2回接種した人の体内に抗体量を調べたところ、3カ月後の抗体の数は、14日後の4分の1にまで減っていました(*3-2)。

このニュースは一般の人にはショッキングに受け止められたと思いますが、専門家は当然の結果と受け止めているようです(*3-3)。
インフルエンザの抗体が4カ月ほどで半分することはすでに知られています。肺炎球菌や百日咳の抗体も3年ほどで減っていきます。
抗体が長く効く病気と抗体が早く弱まる病気の違いはわかっていません。

*3-2:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2586M0V20C21A8000000/
*3-3:https://mainichi.jp/articles/20210904/k00/00m/040/232000c

ワクチンは変異株にも効くのか

ワクチンは変異株にも効くの
新型コロナは、変異することでさらにパワーアップしています。
特にデルタ株と呼ばれる、変異した新型コロナは、次のような特徴があります(*4-1)。

  • デルタ株は、非変異株(オリジナルの新型コロナ)よりPCR陽性反応が早く出る
  • デルタ株の場合、感染者から最初に検出されるウイルス量は、非変異株の1,200倍になることがある
  • デルタ株の増殖スピードは非変異株より速い
  • デルタ株は他の変異株より再感染力が強い
  • 非変異株との比較では、デルタ株の1)入院リスクは120%増、2)集中治療室入院リスクは287%増、3)死亡リスクは137%増だった

そしてデルタ株のほうが、非変異株より増えてしまっています。

*4-1:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10554-covid19-52.html

ワクチンの効果が下がることは報告されていないが

では、現行のワクチンは、デルタ株を含む変異株に効果があるのでしょうか。厚生労働省は次のように説明しています(*4-2)。

<ワクチンは変異株に効くのか、に対する厚生労働省の見解>
●一般論としては、小さな変異でワクチンの効果がなくなることはないが、変異株ごとのワクチンの有効性については確認中

はっきりしたことはいえないが、ワクチンの効果が下がることは確認されていない、と読み取ることができそうです。

ウイルスの変異とは、ウイルスが人の細胞に侵入するために必要になるスパイクタンパク質というタンパク質が変わってしまうことをいいます。
ウイルスは自分では増えることができず、人などに感染して細胞のなかに入り、そこで増殖します。そのため、人の細胞に入りにくくなると、入りやすいように自らを変化させます。
このスパイクタンパク質の変化によって、感染力が強くなったり、毒性が強くなったり、ワクチンの有効性に影響を与えたりできるようになります。

*4-2:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0012.html

田辺三菱製薬が変異株対応ワクチンを開発

ワクチン開発で出遅れていた日本の製薬会社ですが、ここにきて吉報が届き始めました。
田辺三菱製薬は2021年10月から、世界初となる植物由来の新型コロナワクチンの臨床試験を、国内で行います(*4-3)。臨床試験がうまくいけば、2022年3月にも国に承認申請をします。
このワクチンは、タバコ属の植物にウイルスの遺伝子を組み込み、植物が育った段階で葉から成分を抽出してワクチンにして人に投与します。

治験はすでにカナダ、イギリス、アメリカで行なわれていて、抗体がしっかりつくられ、重い副反応は出ていないそうです。製造コストも抑えられる、としています。
さらに、変異株への対応も6週間で可能です。ウイルスを組み込んだ植物の生育を待つだけだからです。
よい点はまだあります。
ファイザー製ワクチンはマイナス70度で保管する必要がありますが、田辺三菱製薬のワクチンはプラス2~8度の冷蔵庫で保存できます。

*4-3:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF275P50X20C21A9000000/?n_cid=BMTR2P001_202109292100&unlock=1

京都大学と広島大学が変異株に対抗する技術を開発

京都大学と広島大学の研究チームが2021年5月に、新型コロナの変異株を無力化する抗体(中和抗体)を、わずか10日でつくる技術を開発したと発表しました(*4-4)。
この技術はワクチンではなく、人工的に中和抗体をつくりそれを投与する治療法になります。

この薬は中和抗体医薬といい、すでにいくつか開発されています。
京都大・広島大の今回の成果は、新しい変異株が出てきても、すぐに中和抗体医薬をつくる点にあります。

研究チームは、新型コロナに感染した複数の患者から血液を採取して、そのなかから特別強い中和抗体を選び、それを増やして中和抗体をつくりました。
最強の中和抗体をつくったわけです。
しかも、短期間でつくる技術も開発したので、次にまた強い変異株が出現しても、すぐに新しい中和抗体医薬をつくることができます。
研究チームは「製薬企業などと連携して、早期に医薬品化を目指す」としています。

余談になりますが、この研究には、三井住友信託銀行がユニークな形で参加しています。
同行は「新型コロナワクチン・治療薬開発寄付口座」を開設して、一般の人から寄付を募り、そのお金をこの研究の資金に当てました。
また同行自体も、新型コロナ向けのワクチンと治療薬を研究している複数の大学に、1校あたり1,000万円を寄付しています(*4-4、4-5)。

*4-4:https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/164430/210514_pr01.pdf
*4-5:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000055547.html

まとめ~ワクチンだけでは足りないが、ワクチンは不可欠

新型コロナワクチンのことを知れば知るほど、心許ない気持ちになるかもしれません。
そもそも人類は、風邪ウイルスのワクチンすら開発できていないからです。
新型コロナに限らず、ウイルスは人類より強いといえるでしょう。

しかし人類が健康的な生活をして自由に経済活動をするのであれば、ウイルスに完全勝利する必要はありません。ウイルスに感染しないようにしたり、感染しても重症化しないようにしたりすればいいだけです。
それだけでよいのであれば、ワクチンは有効です。

したがって、特別な理由がないのであれば、ワクチンは接種したほうがよいでしょう。
新型コロナワクチンを国民に打つ費用は「兆円」規模になっていますが、国民は無料で打つことができます(*5-1、5-2)。
国は、これだけの額の税金を投じてもワクチンを接種しなければならないと考えているわけです。接種することは、国を挙げての一大プロジェクトに協力することに他なりません。

*5-1:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210827/k10013226171000.html
*5-2:https://www.asahi.com/articles/ASP2165XWP21ULFA01N.html

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