イスラエルはなぜコロナワクチンを世界一速く接種できたのか「3回目も開始」

イスラエルはなぜコロナワクチンを世界一速く摂取できたのか「3回目も開始」

イスラエルの新型コロナウイルスのワクチン接種率は、2021年8月時点で8割を超えています。これは高齢者だけに限った接種率ではなく、16歳以上のすべての国民の接種率が8割超です(*1)。

このペースは驚異的といってよく、日本の接種率は2021年8月25日現在、全国民の36%でしかありません(*2)。
イスラエルも日本も、同じくコロナワクチンを輸入に頼っているのに、しかも同じくコロナワクチン大国アメリカの同盟国なのに、これだけの差があります。
それどころかイスラエルはすでに、世界に先駆けて3回目の接種を始めています(*3)。

なぜイスラエルは、世界最速でコロナワクチンを打つことができたのでしょうか。

イスラエルが世界的な動きをみせると、すぐに都市伝説ふうに「ユダヤ人たちの何か」を疑う人がいますが、コロナワクチンについては半分正しく半分間違っています。

コロナワクチンを世界で初めて実用化させたアメリカの製薬メーカー、ファイザーのCEOはユダヤ人です。だからイスラエルに有利に働いた部分は否定できません。

しかし、それだけでイスラエルがワクチン接種世界一になれたわけではなく、そこにはイスラエル政府とイスラエル国民の覚悟と努力がありました。
オリンピックが始まった7月下旬から感染が急拡大している日本は、イスラエルから多くのことを学べるはずです(*4)。

*1:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210819/k10013211161000.html
*2:https://cio.go.jp/c19vaccine_dashboard
*3:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/08/3who.php
*4:https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html

ファイザーのCEOは、ホロコーストを生き延びた両親を持つブーラ氏

ファイザーのCEOは、ホロコーストを生き延びた両親を持つブーラ氏

出典:西日本新聞

ホロコーストとは、ギリシャ語で「焼かれた生贄(いけにえ)」という意味で、世界史ではナチス政権とその協力者によるユダヤ人への迫害と殺戮のことを指します(*1-1)。

ファイザーのCEO、アルバート・ブーラ氏の両親はホロコーストの生存者で、マスコミの取材に対し「両親はホロコーストの話をするとき、怒りや報復ではなく、生を祝福し前を向いて生きることの大切さを説いた。それが私の世界観を形成した」と語っています(*1-2)。

ブーラCEOはギリシャ生まれのユダヤ人ですが、戦後生まれなのでホロコーストは経験していません(*1-3、1-4)。

ユダヤ人であるブーラ氏とイスラエルの関係を紹介する前に、ファイザーについて解説します。

*1-1:https://encyclopedia.ushmm.org/content/ja/article/introduction-to-the-holocaust
*1-2:https://www.nishinippon.co.jp/item/o/720854/
*1-3:https://forbesjapan.com/articles/detail/37694
*1-4:https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20210518-00237255

米ファイザーと独ビオンテックの協業が世界初を生んだ

世界初のコロナワクチンは、ファイザーとドイツの製薬会社ビオンテックが共同で開発した「COVID-19 mRNAワクチン」(以下、ファイザー製ワクチン)とされています(*1-5)。イギリス政府が2020年12月に、世界で初めてファイザー製ワクチンの使用許可を出しました。

*1-5:https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/2020_12_03.html

獣医師のブーラ氏がなぜ医薬品世界大手のトップになることができたのか

ファイザーCEOのブーラ氏は、医師でも薬剤師でもなく、獣医師です。

ブーラ氏は1993年にファイザーのギリシャ事業所に入社して動物医療部門に配属になりました(*1-6)。ファイザーの事業の柱はもちろん人の薬の製造・販売なので、ブーラ氏は傍流からスタートしたことになります。
そのため、獣医師のブーラ氏の出世は、研究成果によるものではなく、経営手腕が買われてのことと推測できます。

2019年1月にCEOに就任したブーラ氏はすぐに、経営陣用の会議室の壁に患者の写真を掲げました。そして部下たちには、売上の数字とともに、自分の事業で患者を何人救えるか報告するよう求めました。
あらためて、自分たちの使命が、人々の命を救うことであると強調したわけです。

そして2020年、新人CEOにコロナ禍が襲います。
ブーラ氏は当時を振り返って、それまでの自分のキャリアが1つも備えにならなかったと述べています。

ブーラ氏はいち早くワクチン開発に乗り出すことを決意して、2020年3月には社員たちに「考え方自体を変えよう。カネの心配はしないでよい」と伝えました。

複数のワクチンの開発を同時に進めてよいことと、各国政府の承認が取れる前に生産体制を確立してしまうことを決めます。

さらに「開発したワクチンが実用化できなくても、数十億ドル(数千億円)損するだけ」とまで言い放ちました。失敗することを考えず開発せよと鼓舞したのです。

トップにこれだけの覚悟があれば、開発陣は急ピッチで作業を進めることができます。ファイザーは、mRNAという技術を持つドイツのビオンテックから協業を持ちかけられると、すぐにそれに応じました。
これも大きな決断でした。なぜなら、mRNAでワクチンをつくった事例は世界になく、それで世界初のコロナワクチンをつくることは賭けでした。

そして「複数のワクチンの開発を同時に進めてよい」というブーラ氏の指示とおり、ファイザーの開発陣は4種類の異なるmRNAワクチンを同時に開発していきました。
ブーラ氏の覚悟とそれに応えた社員や協力者たちの努力が、世界初のコロナワクチンをつくったといえます。

*1-6:https://forbesjapan.com/articles/detail/37694/1/1/1

イスラエル政府の本気度とは

イスラエル政府の本気度とは

  • イスラエルはユダヤ人の国である
  • ファイザーのCEOブーラ氏はユダヤ人である
  • ファイザーは世界で最初にコロナワクチンをつくった製薬メーカーである
  • イスラエルは世界で最も速くワクチン接種が進んだ国である

この4つの事実だけみると、ユダヤ人の結束がイスラエルの驚異的なワクチン接種スピードを生んだように感じます。
もちろんブーラ氏がユダヤ人であったことは、イスラエルにとって有利な条件でしたが、それだけが理由ではありません。
最大のポイントは、イスラエル政府の本気度です。詳しくみていきましょう。

「ユダヤ人どうしだから」という理由がとおるはずがない

もしブーラ氏が、自分がユダヤ人だからという理由でイスラエルにワクチンを渡していたら、ファイザーは世界的な非難にさらされたでしょう。ファイザーはグローバル企業なので、世界からそっぽを向かれたら企業として立ち行かなくなります。

なぜならイスラエルの人口は約900万人で、東京都の約1,400万人にすら及ばないからです。ファイザーにとってイスラエルは小さな市場であり、ここを優先するメリットは大きくありません。
ユダヤ人を助けたいからイスラエルに優先的にワクチンを渡すという事業を、経営陣も幹部も株主も許すはずがありません。
したがって、ブーラ氏がユダヤ人だからイスラエルが早く大量にワクチンを入手できたわけではない、と考えるのが合理的です。

イスラエル首相は17回もブーラ氏に電話をした

当時のイスラエル首相、ネタニヤフ氏は2020年11月以降、ブーラ氏に17回も電話をしてワクチンの配布を依頼しました(*2-1)。1国の首相が企業のトップに懇願することは極めてまれなことです。これが、イスラエル政府の本気度その1です。

一方の日本はどのような対応だったのでしょうか。
2021年1月、世界中でワクチン争奪戦が起きていましたが、日本では、ワクチン1瓶で6回注射できると見込んでいたのに5回しか接種できないことが判明し混乱していました。
このころ日本の行政改革担当大臣がファイザーに供給増を要請しましたが、ファイザーは、交渉には首相を出してほしいと逆指名をしました。これを聞いた日本政府は不快感を示しました(*2-2)。
それはそうでしょう、企業が1国の政府に「大臣では役不足だ、首相を出せ」と言ったのですから。

そして日本の首相とブーラ氏の電話会談が実現したのは、首相がアメリカ大統領と会談するために訪米した2021年4月です(*2-3)。
電話どころかインターネットでも話ができる時代なのに、首相とブーラ氏の会談がこのときまで実現しなかったのは、状況が一変していたからです。

日本政府もようやく、自分たちとファイザーとの力の差を認識できるようなりました(*2-2)。
日本政府はブーラ氏に対し、首相と会談してほしいと求めましたが、今度はファイザー側が拒否するようになっていました。駐米日本大使がファイザーに電話をしても、ブーラ氏は多忙を理由に電話に出ません。駐米日本大使は、アメリカの元厚生長官に口をきいてもらい、ようやくブーラ氏と電話で話すことができました(*2-4)。
それでなんとか4月に首相とブーラ氏の電話会談が実現したわけです。
最初からプライドをかなぐり捨ててファイザーに懇願したネタニヤフ氏との違いは明らかです。

*2-1:https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/no_category/20210305_1.pdf?la=ja-JP&hash=410C80C431930C3C4D3C3FF93E4AAA54496DD102
*2-2:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210308/mca2103080623009-n1.htm
*2-3:https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na2/us/page1_000950.html
*2-4:https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210524-OYT1T50224/

ワクチンの実験台になる覚悟

ワクチンの実験台になる覚悟
イスラエル政府は、コロナワクチンの実験台になることを了承しました。これがイスラエル政府の本気度その2です。

「集団免疫を世界に証明するため」とワクチン大量確保を正当化した

ネタニヤフ首相(当時)は2021年1月、世界に向かって「イスラエルは集団免疫に向けた世界の実験室として貢献できる」と訴えかけました(*3-1)。
集団免疫とは、ある地域内で何割かの人がワクチンを接種すれば、全員が接種しなくても集団として免疫を持つことができる現象です。

しかし、2021年1月の段階では、ファイザー製ワクチンを多くの国民が打ったからといって、その国が集団免疫を獲得できる保証はありませんでした。
つまりネタニヤフ氏は、まだ安全性に心配があるワクチンを全国民に打ち、それで集団免疫ができれば、世界にワクチンの有効性を証明できると言ったわけです。

ネタニヤフ氏の考え方は、「自国民をワクチンの実験台にするとんでもないリーダーだ」と解釈することもできます。
しかし、「自国を実験室にする」と主張すれば、イスラエルが大量にワクチンを獲得することを正当化できます。それにより、イスラエルにワクチンが集中しても、世界からの批判を封じることができます。

*3-1:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR27EOP0X20C21A1000000/

両者の利害が一致することを示して納得させた?

イスラエル政府はファイザーに、ワクチンの効果や感染に関わるデータを提供することを約束し、ファイザーがそのデータを世界中で使うことを許しました(*3-2)。
これはファイザーにとって重要な条件でした。イスラエルでワクチン「実験」が成功すれば、その方式を他国で応用できます。つまり世界中でファイザー製ワクチンを売ることができます。

野村総合研究所は、「イスラエルは、コロナに打ち勝つための世界的なショーケースとして国をアピールすることが、早期にワクチンを確保するための唯一の方法であることに気づいた」と分析しています(*3-3)。

このことからイスラエルとファイザーのつながりは、両者の利害が一致したことで強化されたことがわかります。
ここで見逃してならないのは、イスラエル政府が、両者の利害が一致することをファイザーに理解させたという点です。

*3-2:https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22563?page=2
*3-3:https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/no_category/20210305_1.pdf?la=ja-JP&hash=410C80C431930C3C4D3C3FF93E4AAA54496DD102

ただ「日本政府が弱腰」という批判は正しくないのではないか

ただ「日本政府が弱腰」という批判は正しくないのではないか
ここで日本政府の対応について考察しておきます。
イスラエル政府の大胆かつ緻密なワクチン確保戦略を知ると、日本政府は弱腰だったのではないか、と感じるかもしれません。
しかし、その批判は正しいとはいえないでしょう。
なぜなら、イスラエルと日本では国民性も政府の特性も異なるからです。

国民性も政府の特性も違う

今でこそ、多くの日本国民がファイザー製ワクチンを頼みの綱と思っていますが、ネタニヤフ氏がファイザーCEOに17回も電話をしていたころ、つまり2020年後半の段階で、もし日本の首相が「日本を実験室にしてよいからワクチンを提供して欲しい」と要請していたら大問題になっていたでしょう。
多くの日本国民は、いち製薬メーカーの実験台になることをよしとしません。

そして日本政府は常に、新薬には慎重です。欧米で承認されている抗がん剤を、なかなか日本の厚生労働省が承認しないことはよく知られています(*3-4)。
日本の厚生労働省がファイザー製ワクチンを薬事承認したのは2021年2月14日で、アストラゼネカ製とモデルナ製の薬事承認は同年5月21日です(*3-5)。

2020年11月10日の衆議院本会議で、厚生労働大臣が、コロナワクチンの接種勧奨について、次のように答弁しています(*3-6)。

「(コロナワクチンの)接種勧奨と努力義務を適用することとしている一方、必要に応じて、例外的にこれらの規定を適用しないことを可能としています。
使用実績が乏しいなかでの接種が想定されることを踏まえ、接種開始時に予防接種の安全性や有効性等についての情報量に制約が生じる状況や、接種開始後に安全性や有効性等について慎重な評価を要する情報がもたらされる状況等を想定し、そうした場合に迅速に対応できるよう、規定を設けたものです」

つまり政府は、国民に、コロナワクチンの接種をすすめる一方で、コロナワクチンは使用実績が乏しいため、例外的に接種をすすめないことがある、という態度で臨むことにしたのです。
日本政府はコロナワクチンに弱腰なのではなく、慎重なのです。そしてそれは、慎重な国民に配慮しているから、ともいえます。
ただこの慎重姿勢がワクチン接種率の低下につながっているかどうかは、今後の検証を待つ必要があるでしょう。

*3-4:https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0425/index.html
*3-5:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_yuukousei_anzensei.html
*3-6:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000120320201110004.htm

ワクチンの接種体制を「突貫工事」でつくっていった

ワクチンの接種体制を「突貫工事」でつくっていった

出典:Our World in Data(https://ourworldindata.org/covid-vaccinations)

イスラエルの話に戻します。
ワクチンを確保できても国民への接種がスムーズにいかなければ、結局、接種率は高まりません。
日本の接種スピードは、直近の2021年8月26日が574,505人接種/日で、最多は2021年7月1日の1,555,376人接種/日でした(*4-1)。
一方のイスラエルは、2021年2月の段階で約170,000人接種/日でした(*4-2)。

日本のほうが速いようにみえますが、違います。人口比では、日本は1日1%に満たない日がある一方で、イスラエルは1日1.9%にもなります。

日にち 1日の接種人数 人口比(イスラエルは900万人、日本は1億2,000万人で計算)
イスラエル 2021年2月ごろ 約170,000人 1.9%
日本 直近
2021年8月26日
574,505人 0.5%
最多
2021年7月1日
1,555,376人 1.3%

つまりイスラエルは日本の1.4~3.8倍の速さで注射を打ってきたことになります。
計算式は以下のとおりです。

  • 1.9(%)÷1.3(%)=1.4倍
  • 1.9(%)÷0.5(%)=3.8倍

*4-1:https://cio.go.jp/c19vaccine_dashboard
*4-2:https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/no_category/20210305_1.pdf?la=ja-JP&hash=410C80C431930C3C4D3C3FF93E4AAA54496DD102

なぜイスラエルは速攻で接種できたのか:戦略と戦術があったから

イスラエルが素早く接種できた理由について、野村総合研究所が分析しているのでそれを紹介します(*4-2)。

●保健制度がしっかりしているから
イスラエルは日本と同じく、全国民が公的医療保険に加入する皆保険制度を採用していますが、日本と異なり仕組みがとてもシンプルです。
また、医療提供体制、電子カルテ、患者への情報提供が進んでいるので、国民が国の医療制度と医療政策を信頼しています。
ワクチン接種に限らず、医療行為を進めやすい国といえます。

●準備万端だったから
そしてコロナワクチンでは、事前に大規模な予防接種キャンペーンを展開しました。キャンペーンのコンセプトは「Give a shoulder」(肩を出そう)。「肩を出して注射しやすくしましょうキャンペーン」です。キャンペーンの一環で予行演習も行いました。
啓蒙活動に力を入れたので、接種が始まっても混乱しませんでした。

●緊急事態に強い国だから
そしてイスラエル政府も国民も、国の緊急事態に迅速に対応することに慣れています。危機が迫ると、政府、医療関係者、国民がすぐに一致団結できます。

●都市部人口が多いから
人口の92%が都市部に住んでいるので、接種会場が少なくても接種回数を増やすことができます。一部の接種会場では24時間無休で打てるようにしていました。
そして小さな街でも接種が進むように、移動ワクチン接種チームを組織して派遣しました。

●ときにルールを緩めたから
ルールをきちんと定めると同時に、必要があればルールを緩めました。
高齢者対象の接種会場でワクチンが余ったら、高齢者に同行してきた家族に打ってしまいました。
別の会場では、ワクチンが余りそうになったら、次の日に予約していた人に連絡して会場に来てもらい、打っていきました。
さらに、予約なし、対象年齢なしの接種会場も用意。
余剰ワクチン・アプリも登場し、これによって人々は、スマホで簡単に今すぐワクチンを打てる会場を探せます。

【ブースター接種】手を緩めないイスラエルだが、さすがに非難も

【ブースター接種】手を緩めないイスラエルだが、さすがに非難も
ブースターとは、エンジンの出力を上げるために追加する機械のことです。
コロナワクチンは2回打つことで効果が出るとされてきましたが、最近、2回では足りないという研究結果が相次いで出され、3回目のブースター接種(追加接種)が必要であるとの認識が広まってきました(*5-1)。
ブースター接種については、ファイザーやモデルナもその必要性を認めています(*5-2)。日本政府も2021年8月に、日本国民が3回打てる準備に着手していることを明らかにしました(*5-3)。

*5-1:https://www.bbc.com/japanese/58326385
*5-2:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74604980W1A800C2EA5000/
*5-3:https://www.jiji.com/jc/article?k=2021081600948&g=pol

イスラエルは「これも実験」と主張するが

そしてブースター接種でもイスラエルは先行しています。
早くも2021年8月18日には、イスラエルの保健当局が、3回の接種で感染予防効果は86%に高まるとの調査結果を発表しました(*5-4)。
ここでもイスラエルは、ブースター接種の実験台になったわけです(*5-5)。

*5-4:https://www.sankei.com/article/20210819-DFAAPKUADFISPPR26SQW36L5J4/
*5-5:https://www.afpbb.com/articles/-/3360530

WHOは「強欲で良識がない」と非難

ところが、世界にはまだ1回目の接種すら終わっていない人が大勢いるので、これにはさすがに非難が出ました。
世界保健機関(WHO)は、イスラエルや先進国などの早すぎるブースター接種に対して「強欲、良識がない」と断じ、「故意に世界の最弱者を置き去りにすることを選ぶならば、世界は恥じながら過去を振り返ることになる」とまで言い放ちました(*5-6)。

ただ、早すぎることがいけないだけで、3回接種の有効性はWHOも認めていて、「少なくとも9月末までは3回接種を見合わせるように」との見解も示しています(*5-7)。

*5-6:https://www.afpbb.com/articles/-/3356352
*5-7:https://www.afpbb.com/articles/-/3361701

まとめ~理想はいいとこどり

イスラエルのワクチン速攻接種戦略は成功したといえます。
イスラエルの感染者の死者数は、2021年1月21日に101人を記録したことがありましたが、5月に入ると0人の日も珍しくなくなりました(*6-1)。
日本や世界がイスラエルから学ぶことは多く、今から真似をするのも十分「あり」のはずです(*6-2)。

ただ、イスラエルは2021年8月に入ると死者数は再び2桁台になり、8月23日には55人を記録してしまいました。ブースター接種を急ぐのはそのためでしょう。
一方の日本の死者数は、2021年5月19日に216人を記録したものの、直近の8月27日の死者数は52人です。
人口900万人のイスラエルの死者数55人(8月23日)と人口1億2,000万人の日本の死者数52人(8月27日)と並べてみると、日本のコロナ対策が大失敗しているわけではないといえそうです。

大胆なイスラエル式と慎重すぎる日本式は、大きく異なります。
日本がイスラエル式を導入し、イスラエルが日本式を導入すれば、両国はさらに犠牲者を減らすことができるはずです。
そしてイスラエル・日本式は、ワクチンの供給体制が整えば、世界の見本になるのではないでしょうか。

*6-1:https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/
*6-2:https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/no_category/20210305_1.pdf?la=ja-JP&hash=410C80C431930C3C4D3C3FF93E4AAA54496DD102

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